皆さんこんにちは、ドラム講師の片平です。スネアドラムを演奏する上で大切な技術の一つである『プレスロール』。これについてどのように練習すれば良いか悩んでいませんか?今日の記事では私がプレスロールを習得した、そして現在も練習している方法について解説します。
私自身、プレスロールは苦手でしたが今日紹介する練習方法でかなり出来る様になりました。プレスロールに取り組んだ事が無い人や苦手意識を持っている人は、この記事を参考にチャレンジしてみて下さい。
そもそもプレスロールって何?
プレスロールは別名バズロール、マルチプルバウンスロールとも呼ばれ、40Rudiments(※)の4番目に定められたフレーズ。オーケストラは勿論、ジャズドラムでもとても重要な役割を果たしています。
※Rudimentsとは…最初にNARDという団体が定めたスネアの基礎フレーズ。現在は公式に40種類認められている。
プレスロールがどの様な演奏なのか、動画で確認してみましょう。
動画の様にスティックを打面で弾ませる様に演奏し、その音を切れ目なく続ける打ち方です。強弱(クレッシェンド、デクレッシェンド)をつけて演奏する事も多くあります。吹奏楽でパーカッションをやっている人にとっては必須となる技術の1つですね。
ではこのプレスロール、どの様な練習をすれば身につけられるのでしょうか?次の章で見ていきましょう。
プレスロールの練習方法
プレスロールを身につける上で大切になってくるのが『スティックを打面で転がす感覚を身につける』事。1度のストロークで3打以上、音を出す必要があります。その為にこの様な練習をしてみましょう。
- 打面中央でスティックを押さえつける様に打つ
- 直ぐに力を抜いてスティックを横に転がす
文字だと分かりづらいので動画で確認。
1,打面中央でスティックを押さえつける様に打つ
スティックは親指と人差し指を支点にして持って下さい。そのまま打面の中央に押さえつける様に落とします。ここである程度の力をかけないとスティックが大きく跳ね返ってしまいます。跳ね返りを小さくしないと音が切れてしまうので、力をかける事で音と音が繋がって聞こえる様にして下さい。
ただ極端に力をかけてスティックを押さえつけるのはよくありません。力をかけ過ぎてしまうと跳ね返りを全然得られずに打数を稼げなくなります(ズザッという感じで音が切れてしまう)。マルチプルバウンスロールと言われる様に1度のストロークで複数打の音を出す必要があります。親指と人差し指の視点部分に力を加える感覚で打ってみましょう。
2,直ぐに力を抜いてスティックを横に転がす
そしたら直ぐに支点部分に加えていた力を抜きます。押さえ過ぎて、跳ね返りを無くしてしまわない様にする為です。そして力を抜くと同時にスティックを打面中央から横に向かって転がしてみて下さい(上の動画0:07~参照)。細かい音の間隔で複数打(最低6打以上は欲しい)鳴らす事が出来ればOK。これを左右交互に続けてテンポを上げる事で音を繋げていきます。ある程度テンポが上がってきたらスティックを横に転がす余裕が無くなるので、その場で弾ませる様にします。
これでプレスロールの基本の形は出来上がり。まずはムラのない音で綺麗に続けられる事を目標に練習します。出来る様になったら次の課題に取り組みましょう。
拍やテンポを意識したロールを演奏する
ここまで来た皆さん、ロールの習得おめでとうございます。次は綺麗なプレスロールを演奏する為に意識をする事について触れていきます。下の楽譜①を課題に考えてみましょう。
テンポ90で1小節ロールを継続し、2小節目の頭でアクセントを入れて止まります。皆さんはこの止まる時に右手左手どちらで止まりますか?また、メトロノーム無しでロールを正確に4拍分キープ出来ますか?
プレスロールでは音を継続する事に意識が行き、なかなか拍やテンポという部分までは気が向きません。しかしこれらに気をつける事で拍が見える綺麗なロールになります。具体的にどの様に捉えれば良いのか、上の楽譜を下の楽譜②の様に書き換えてみましょう。
如何でしょうか?こう捉えると、どの位の速さでストロークを打てば良いかが見えてきます。テンポ90で6連符を打つ速さでスティックを動かし、そのままロールをすれば良いのです。それによりテンポも安定しますし、最初を右手からスタートすれば自然に最後のアクセントが右手ストップになります。
この様にテンポに応じて『どの音符(8分、3連、16分、6連…)の速さで腕を動かせば良いのか?』を考えて演奏すると、しっかり拍も理解出来ますしテンポも安定したロールになります。音を続けよう続けようと無理にストロークを詰め込まない事が大切です。
拍やテンポを意識したロールの練習方法
上記の様なロールを演奏出来る様にする為には以下の練習(楽譜③)が効果的です。
1小節目でストロークの速さを確認し、2小節目でプレスロールに変える。1,2小節目ともにスティックを動かす速さは一緒で、1音だけ出すか複数音出すかの違いになります。これを色々なテンポで色々な音符の速さでやってみましょう(例えばテンポ120で16分音符でやってみましょう)。出来る様になったら強弱をつけてみるのも良いですね。
最後に
今日の記事は如何でしたか?指の力加減のコントロールやストロークの速さを理解して演奏する事で、拍やテンポが見えるロールになります。ここに書いてある事を参考に、プレスロールをしっかり身につけましょう。
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